NTTCom社員は本当にラグビー部員におしかけられているのか?

TL;DR

そんな事実は無いし、技術職も希望をちゃんと伝えればちゃんと配属されると思うので内定者・就活中の学生の皆様は安心してね。

この記事は何?

style.nikkei.com

b.hatena.ne.jp

この記事がはてなブックマークTwitterのエンジニア界隈で大変な話題になっているけど、事実と違うことが書かれて炎上しているのが中のエンジニアとして大変悲しいですし、内定者や就活中の学生のみなさんが不安になってしまうと思ったので、ちゃんと解説するいわゆる火消し記事です。

この記事は勤務時間中に上司の許可や広報の許可を得ずに書いていますので、普通の会社なら怒られるかもしれませんが、うちの会社は多分大丈夫だと思います。

あくまで一社員とその周囲からの観測範囲をベースにして書いているので、見え方が違うこともあるかもしれませんが、そこはBGPの経路情報と同じでご容赦を。

炎上しているポイント

主に以下の2点で炎上していると認識しています。

ポイント1:技術職がどこに配属されるのかわからない

「技術職として採用する場合、『どの部署に配属されるかはわかりません』と言ってきました。ところが、それだと『じゃあ御社には行きません』といわれてしまうケースも多くて。採用の環境の変化を感じます。だからこそ、色々な経験ができるのが当社のよさだと伝えていかなければならないと思っています」

ポイント2:業務中にラグビー部が突入してきてボールを投げてくる

職場に突然、ラグビー部員がわーっと入っていって、社員にボールをパスしたり、体を動かしてもらったりするんです。

要約

  • 技術リクルーティングの枠組の中で採用された技術職は配属先はちゃんと希望されたところに行けるようになっています。
  • 「おしかけラグビー」はラグビー部員が広報する活動のこと。色々な企業や団体に招かれて行っているみたいですが、NTTコム社内で突然ラグビー部がラグビーボールを投げつけている事実はありません。

技術職の配属について

私が入社した2011年ごろは記事に書いてあることは確かに本当でした。正確には技術職という枠組みもなくて、一律「新入社員」という扱いでした。その中で意にそぐわない配属をされて涙を流した同期もいました。

しかしここ数年は技術リクルーティングという枠組みを作って採用活動を行っており、こちらの枠組みでは、配属先の部署はある程度コントロールされて「約束通り」になるように頑張っています。クラウドのベアメタルの開発、クラウドのSDNの開発、高速ルータの開発、OCNの開発、といった感じで、ネットワーク、クラウド、セキュリティ、アプリケーションなど複数の分野で技術の専門家を採用しています。

もともとの採用方針がいわゆる日本企業的な「コミュ力重視」の採用で、そういうのが苦手だけどとても優秀なエンジニアがNTTComに入社しなくなってしまうのを避けるためのパスです。大学によっては推薦の枠組みがあるので、その時はご相談ください。

少なくともこの採用パスに入ることができる実力を持った腕利きのエンジニアには「何処に配属されるのか分からない」みたいな状況は待っていません。

スペシャリスト採用』のような仕組みがあってもいいのかもしれませんが、現実には3年ぐらいたってから選べるようにする方がいいかなと思っています。

という部分については私も納得行かないので、技術リクルーティングで採用されたエンジニアは1年目からスペシャリスト採用になる選択肢を持てるように声を上げていきたいと思います。

ラグビー部がラグビーボールを投げてくる件について

今までのNTTComでの業務時間中にラグビー部からラグビーボールを投げられたことはありません。もしかして僕は社員じゃなかったのかと不安になりましたが、エンジニアのSlackでアンケートを取ったところ21名(のべ在籍年数128年)から即回答があり、業務時間中にラグビー部から突然ラグビーボールを投げられた経験は誰一人ありませんでした。

親切な方が調べてTwitterで発信してくださっています

 

そのようなわけでこの部分については中の人的には「そんなことやってへんやろー」っていう事実が歪んで伝わった程度の記事が、思いの外のキャッチーさで炎上してしまったという感じです(もしかしたらどっかで本当にやってるのかもしれないけど)。

まぁ、大丈夫です、ラグビーボールは飛んできません。

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この記事で本当に伝わってほしいこと

外資IT系の友人たちからは「やっと10年前だな」という言葉を頂いていますが、これは本当にそのとおりです。私の見方としては「やっと"まとも"な改革ができる人が人事部長になれる時代がやってきた」のです。

山本恭子さんは数々の抵抗勢力に負けずに改革を推進して、社員が働きやすい会社を作ってきています。彼女は我々エンジニアの希望の星でもあります。なのでラグビーの件で「こんな人がトップだから」と言われるのはとても悲しいですし、より制度がよくなるように助言やサポートはしていきたいです(この記事も一つの形です)。

在宅勤務やフレックスなど働きやすい仕組みも整ってきましたし、能力型の「スペシャリスト社員制度」も始まっていますので、腕に覚えがあればGAFAに匹敵するぐらいの給与もでるかもしれません、知らんけど。制度などの面では本当に働きやすく、ここ1年で劇的に良い職場になってきました

記事でも言及されている通り、課長が勤務管理で忙しすぎるとか、まだまだ改善しないといけない面もたくさんありますが、それを人事部はちゃんと認識していて、なんとかしようと頑張っています。出さなくても良いネガティブな内容を敢えて出しているというのは「これから変えていくという有言実行のメッセージ」だと捉えています。

ところでお前誰?

NTTComでエンタープライズ向けのクラウドサービスのSDN基盤を開発してるよ。ネットワーク機器の検証もするし自分たちでコードも書くよ。開発環境もMacBook ProでSlack、G Suite、Confluence、Jira、GitHubだよ。今はスケーラビリティを上げつつもSDNのSREを実現して安定したネットワークが作れるようにチームで頑張ってるよ。

その前はインターネットエクスチェンジのJPNAPでネットワークエンジニアとソフトウェアエンジニアの両方をやってたよ。ガリガリソフトウェアを書いてネットワーク運用の自動化とかやってたよ。バックボーンの設計とかもやってたよ。

ネットワークとソフトウェアの両方ができるいい会社だよ。

まとめ

他の会社の炎上記事もこんな感じなのかなぁって思うと、話半分に読むのが良いのかなと思いました。

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NTTの人たちがやっているエンジニアリング的なお話に興味がある方はどうぞ

fukabori.fm

FAQ

映像があるんだけど?

www.youtube.com

この件については詳しくは知りませんが、場所はNTTCom社内ではなく浦安市役所だと思います。さすがにそこにいきなりおしかけるのは不法侵入になりますので、先方から招聘いただいて実施したイベントではないかと思います。その場合は、社内でいきなりラグビーボールをぶん投げてくるのとは事情が全く異なるかと思います。

取材場所はラグビーチームのシャイニングアークスの拠点であるアークス浦安パークだと思います。そのご縁で浦安市役所に伺ったのかと思います。

ちなみに浦安市にNTTComの事業部のオフィスはありません。

各部門の紹介 | NTTコミュニケーションズ 企業情報

たった21人の調査?

大手町プレイスっていう新築のビルにオフィスを移転しました!1フロア300-400人で仕切りもない大部屋なのでオフィスにラグビー部員が突入してきたらすぐわかりますよ。そういう状態で少なくともサービス開発・エンジニア系のフロアでそういった事象は21人の目で観測されなかったということです。ご指摘の通りSlackにいなさそうな部署の人のフロアで突入があったら、わかりません。営業系のフロアとか、社長室とか。

https://developer.ntt.com/sites/default/files/blog_images/MVIMG_20181218_182326.jpg

NTT Com Tech Night #1を開催しました! (レポート) | NTT Communications Developer Portal

火消し業者?

そうそう、NTTComでは副業もOKになりました。副業ってことにしてお金貰えばよかった…!